ロタウイルス感染症、白い便、下痢、嘔吐、この症状は胃腸炎⁉

ロタウイルス感染症

ロタウイルス感染症、白い便、下痢、嘔吐、この症状は胃腸炎⁉

Index

ロタウイルス感染症とは?
どんな症状?
感染経路は?
かかってしまった時の対処法
汚物の処理方法
予防・対策は?治療法は?ワクチン接種は有効?
子どもの出席停止!
大人は移るの?
まとめ

ロタウイルス感染症とは?

ロタウイルス感染症は、乳幼児をはじめ子どもに多い急性胃腸炎を引き起こす感染症で、極めて感染力の強い白色便性下痢症ともいわれる病気です。2月~5月にかけて流行りますが、1年を通してかかる事があります。
発症しやすいのは生後6ヶ月~2歳で、5才までにほとんどの子どもが経験します。保育所や幼稚園、小学校で集団感染することもめずらしくありません。

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どんな症状?

感染すると、2~4日の潜伏期間を経て、嘔吐、発熱、腹痛などのおもな症状を発症し、白っぽい下痢便となります。臭いも独特で酸っぱいような普通の便とは違う臭いがします。白っぽい便は1週間ほど続きます。
軽い場合は、発熱や嘔吐がない場合もありますが、牛乳やミルクの飲みすぎでないのに白い便が出たときは迷わず受診してください。また、白い便が出ていたら、それを持って病院で診察を受けましょう。
重症になると、脱水やけいれんを起こして入院が必要になることもあります。
激しい嘔吐と下痢のために肝臓の機能が一時的に落ちたり、頻繁な下痢のためお尻がただれることがあります。

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感染経路は?

感染経路をキチンと把握しましょう
ロタウイルスは主に経口感染と接触感染で感染します。ご家庭では、汚染された水や食べ物を介して、あるいは汚染された物の表面(ドアノブ、手すりなど)を触った手などから口に入り感染します。
接触感染
ロタウイルスは感染者の便に大量に含まれており、その便に触れた手指を介して、口から入ってしまうことで感染します。便との接触だけではなく、感染者が触れたものに間接的に触れることでも感染する可能性があります。便を処理した後、たとえ十分に手洗いをしても、手や爪に数億個ものウイルスが残っていることがあり、ロタウイルスが付いた手などから感染が広がっていきます。
経口(糞口)感染
10~100個くらいのロタウイルスが口から入ることで感染します。汚染された水や食品を介して、ロタウイルスが口に入って感染することがあります。

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かかってしまった時の対処法

現在、ロタウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありませんので、対処療法が中心となります。特に抵抗力の弱い乳幼児が感染すると、「脱水症状」になりやすいので、症状が少し落ち着いた時に、少しずつ水分補給を行ってください。アクアライト、OSー1等の経口補水液や湯冷まし、ミルクなどを少し温めて、嘔吐に気をつけながら少量ずつ(50~100ml)を何度かに分けて与えましょう。
脱水症状がひどい場合には、病院で点滴を行うなどの治療が必要となったり、入院が必要となる場合があります。尚、下痢症状がひどいからと言って、強い下痢止めを服用すると、ウイルスが腸管内に溜まり、回復を遅らせることがありますので注意してください。また嘔吐物によって気道が塞がり、「窒息」を起こすことがあるので、よく観察することが大切です。

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汚物の処理方法

嘔吐物や便の処理
嘔吐物や便を掃除するときは、使い捨てのマスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、静かに拭き取ります。床に付着した便や吐物は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取ってください。
オムツ交換の方法
オムツ交換をするときは、使い捨てのゴム手袋などを使い、できるだけ直接手で触れないようにしましょう。捨てる際にはビニール袋などに入れ、周りを汚さないように気を付けましょう。手洗いも忘れずに!
処理の順番

使い捨ての手袋、ガウン(エプロン)、マスク、くつカバーなどの個人防護具を着用すること。
処理をする人以外は、汚物に近づかないこと。
効果的な殺菌剤を使うこと。
十分に換気をすること。
ウイルスは広く飛散し、高く舞い上がるため、広範囲の壁や床を洗浄すること。
処理後には手洗いを2度行い、うがいをすること。

対策は?予防するには?ワクチン接種は有効?

ロタウイルスは丈量でも感染すると言われていますので、対策はしっかりして感染した場合でも二次感染しないようにしたいですね。
対策
★料理の前や排便の後は、きちんと手洗い・手指消毒をしましょう。こどもの排泄後はしっかり手洗い・手指消毒をするように指導し、赤ちゃんのおむつ交換の後も必ず手洗い・手指消毒を行いましょう。
★ロタウイルスは、色々な消毒剤に対して比較的高い抵抗性を持つウイルスです。有効な消毒剤としては、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムが挙げられます。下痢や嘔吐の症状が出たときにすぐ対応できるよう、準備しておきましょう。
ロタウイルスワクチン
●ロタウイルスによる胃腸炎を予防する経口ワクチンで任意接種です。
このワクチンの接種によりロタウイルスに対する抗体ができ、ロタウイルスによる胃腸炎の重症化を防ぐことができます。ですので、ロタウイルスワクチンの予防接種を受けているお子さんの方が多くなってきています。
自治体によっては一部助成している市もありますので、自治体の担当部署に問い合わせてください。
●現在、ロタウイルス感染症を予防するワクチンとして、ロタリックス(GSK:1価ワクチン、2回接種)、ロタテック(MSD:5価ワクチン、3回接種)の2種類を使用しています。
接種できる期間がとても短いので、お子さんが生まれたらできるだけ早めにかかりつけの小児科医と相談して、接種スケジュールを立てておきましょう。どちらのワクチンも生後6週から接種をはじめることができますが、初回接種は生後2か月にヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンなどとの同時接種がおすすめです。それができない場合でも、初回接種は遅くとも生後3か月半過ぎ(生後14週6日)までに受けましょう。

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子どもの出席停止!

保育所では、厚生労働省が発行する「2018年改訂版保育所における感染症対策ガイドライン」により、感染症に罹患した子どもの体調ができるだけ速やかに回復するよう迅速かつ適切に対応するとともに、乳幼児が長時間にわたり集団で生活する保育所内で周囲への感染拡大を防止する観点から、学校保健安全法施行規則に規定する出席停止の期間の基準に準じて、あらかじめ登園の目安を設けているところがほとんどです。
ロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎の場合、嘔吐・下痢などの症状が治まり、普段の食事がとれることが登園の目安となり、保護者の登園届の記入を持って登園許可となります。
学校の場合は、「登校の目安」に従い、学校を休む必要がありますが、この場合は、欠席は欠席と言うことになります。 ただし学校で重大な流行が起こった場合に限り、学校長の判断で出席停止となります。
参照 「学校において予防すべき感染症の解説」 平成25年3月,文部科学省

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大人は移るの?

成人にも感染しますが、軽症に経過したり発症しなかったりする場合が多いようです。個人差があるので人によっては激しい症状で辛い思いをすることも…。

まとめ

ロタウイルスの感染力は非常に強いです。
下痢・嘔吐の症状が見られたら早めに病院で診てもらい、感染が広がらないよう汚物の処理や消毒に気を付けましょう。

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